和歌山家づくりのお金相談センター  > お役立ち情報  > 万が一のことが起こっても・・・

万が一のことが起こっても・・・

柴垣和哉 柴垣FP事務所

profile

 

 

 

 

 

私は、ファイナンシャルプランナーとして、

住宅購入者を中心に相談を受けているのですが、

他の活動内容として、

堺市で障がい者への相談支援を

行っている組織である「相談支援ネット」

という機関でお金の専門家として登録をしていただいています。

 

ここでは、その機関が担当している

堺市在住の障がい者ご本人、もしくはその親御さんが

お金について問題が出てきたときに、

そのご相談をお受けし、アドバイスを行うということをしています。

 

ほとんどボランティアのようなものです。

 

障がいのある方やそのご家族のお金の問題として多いのは、

「障がいのある子供にいくらお金を残せばいいのか」

「どうやってお金を残せばいいのか」

といった障がい者の親亡き後のお金の問題です。

 

つまり、主に「相続」についての相談が多い傾向があります。

 

その関係で、先月、堺市の障がい者支援に関わっている

職員さん向けに

「障がい者に関わるお金の話」

と題してセミナーを開催しました。

 

この話が住宅にどう関係してくるのかというと、

そのセミナーが終わった後に、

ある職員の方から相談を受けてもらいたい方がいるとのことで

お話をいただきました。

 

その方が住宅における問題を抱えていました。

 

 

決して他人事ではない話です。

 

その方は、知的障がいをお持ちの男性の方でした。

 

しかし、そこまで重度の障がいというわけではなく、

普通に会社員として働いている方でした。

そしてその方には奥さんもいますし、子供もいます。

 

この方は障がいをお持ちではあるものの、

会社員として働いていますので、

収入は普通にあります。

 

子供を育てるだけの生活力はあるわけです。

 

そして、その方は数年前に

以前から欲しいと思っていた

念願のマイホームを購入されたようです。

 

収入はありますので、

問題なく住宅ローンを組めたわけですね。

 

それからは順調に住宅ローンの返済も

問題なくできていたのですが、

最近になって生活が急変しました。

 

障がいの状態が悪くなり、

会社を退職せざるを得なくなったのです。

 

会社からは退職金が出ましたが、

状態が良くないので働くことができず、

無収入状態が続いており、

なんとか退職金で毎日食いつないでいる状況とのことでした。

 

ちなみに、奥さんも障がいを抱えているので働けないとのこと。

 

今の段階ではまだ具体的な相談をいただいていないのですが、

おそらくこの方はこのままだと住宅を手放すことになるでしょう・・・。

 

備えあれば憂いなし

 

この方自身も自分が働けなくなることは

想像していなかったでしょう。

 

あなたもこの方のように、

いきなり働けなくなるなんてことは

あまりイメージしにくいことかもしれません。

 

 

しかし、例えば、住宅購入後に

「給料が減ってしまう」

「配偶者が仕事をやめることになった」

「世帯主の方が転勤することになり、家計が赤字になった」

など、少し家計に影響しそうなことが

今後起きる可能性があるかどうかは、

予想できそうなことだったりします。

 

住宅は人生でも大きな買い物ですので、

ある程度「万が一」のことも頭の片隅に置いておき、

その「万が一」のことが起きた場合でも

住宅を手放さなくてもいいように、

身の丈に合った住宅価格を意識してくださいね。

 

備えあれば憂いなしです。