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金利はこれ以上下がらない?

最近、住宅購入者の個別相談が増えてきているのですが、
そこでよく聞かれることがあります。

 

それは

 

「金利はもうこれ以上下がらないですよね?」

 

という質問です。

 

この質問をされた場合、私は決まってこう答えます。

 

「それは誰にもわかりません・・・。」

 

これは、ふざけているわけでなく、

本当にこう思っているからこう答えています。

 

 

実際、昨年の2月に住宅ローンの全期間固定金利の金利が1.3%台に下がったときには、
エコノミストやアナリストなどの専門家のほとんどの方は

 

「これ以上金利は下がらないでしょう。」

 

とメディアで言っていました。

 

途中で1.6%まで上がりましたが、
今月になってさらに住宅ローン金利は下がり、
全期間固定金利で1.19%、
変動金利では低いところでは0.5%台になっています(2016年4月時点)。

 

 

要するに、メディアや雑誌に出ている
ほとんどの専門家と言われる人たちでさえ予想を外したわけです。

 

ここでは詳しい説明はしませんが、
住宅ローン金利に影響を与えているのは
国の借金である国債の価格です(全期間固定金利の場合)。

 

債券とは簡単に言うと、借用証書のようなものです。

 

この借用証書が金融市場でほぼ毎日売買されているわけです。

 

こういった金融市場の相場というのは
毎日投資を行っているプロでも上がるのか下がるのか
簡単にはわかりません。

 

「6割予想が当たればマシなほう」

 

と言われていたりします。

 

 

それは世界的に有名な債券相場のプロでも例外ではありません。

 

債券投資に関して右腕に出る人はいないと言われ、
「債券王」とも呼ばれているアメリカの資産運用会社ピムコを率いていた
ビル・グロースという方がいます。

 

この債券投資のプロ中のプロでも
2013年の5月に債券相場で大損してしまい、
会社を出ていかざるを得なくなりました。
(会社を辞めた理由は、
この時の大損以外にも色々とあったようですので、
これだけが原因ではないと思います。)

 

こんな世界的なプロでも予測が外れることがあるのですから、
私はもちろん、銀行の担当者、ましてや住宅会社の担当者には
将来の金利の動向がわかるわけがありませんね。

 

自分がコントロールできることに意識を向ける

 

住宅ローンを組んで住宅を買う場合に、

今後の金利がこのまま上がらないとすれば

変動金利の方が有利でしょうし、

金利が上がれば全期間固定金利にしておく方が有利ですよね。

 

しかし、上記の通り、金利の予測は非常に難しいものです。

ですので、私は変動金利か固定金利か迷っているお客様には、こう言います。

 

「変動か固定か迷うのであれば、全期間固定金利にしてはどうですか?」

 

変動金利よりも若干高い金利分については、

今後金利が上がっても毎月の住宅ローン返済額が上がらない

という安心を買ったと思ってもらいます。

 

結局大事なのは、予測できない金利の動向ではなくて、

今後何十年も毎月住宅ローンの返済ができるかどうかです。

 

自分がコントロールできない金利の予測に意識を使うのではなくて、

今後何十年も続いていく住宅ローンという借金の返済

をどう行っていくのか、

 

「今後子供の教育費がかかっても問題なく返済できるのか」

 

を慎重に考え、

奥さんが働いて世帯年収を増やすことや支出の削減等の

自分がある程度コントロールできることに

意識を使う必要があると思います。

 

 

あなたも家を買う場合には、

金利の選択よりも、

本当に「無理なく返済していけるか」の方が大事である

ということは忘れないようにしてくださいね。