消費税増税と家づくりは全く関係がない?
柴垣FP事務所 柴垣和哉
本日2016年5月31日付の日本経済新聞の見出しは
「消費増税19年10月」
でした。
「当初2017年4月に予定していた消費税10%への引き上げを
2019年10月まで2年半延期することが事実上決まった。」
とのことです。
最近まで消費税引き上げの延期に反対していた
麻生財務大臣も30日に安倍首相と会談し、これを了承したみたいです。
安倍首相が世界の主要7か国首脳会議(伊勢志摩サミット)で、
最近の状況は「リーマンショック前に似ている」と説明したことが
増税延期の口実のためだと批判されていましたね。
10%延期を決定したのはいいですが、
社会保障費の財源に充てる予定だった
10%への引き上げ分はどこから持ってくるのでしょう。
増税分の税収4兆円は
待機児童の解消にも充てられる予定なんですけどね・・・。
増税延期による家づくりへの影響
さて、この事実上決定になった消費税増税の延期により、
消費税増税前に住宅を購入しようと思っていた方には
時間的な余裕ができたことになります。
2017年4月に増税する場合、
建売の場合は3月末までに住宅の引き渡しを受ければ
10%の消費税が課されないということになっていました。
注文住宅の場合は、増税の半年前である2016年9月末までに
契約をすれば引き渡しが増税の後になったとしても
10%の消費税が課されないことになっていました。
これが、今回の増税延期によりそれぞれ2年半期間が延び、
建売住宅は2019年9月までに引き渡しを受ければ10%の消費税が課されなくなり、
注文住宅は2019年3月末までに契約をすれば10%が課されないことになります。
ただし、個人的には消費税増税だけを理由にして、
家の買う時期を決めてしまうのはどうかと思っています。
確かに消費税が上がる前に購入できれば
消費税2%分得することにもなりますが、
業者の方に聞くと、前回の3%の消費税増税時には
「駆け込み需要」の影響で住宅資材の価格が高騰してしまい、
家の価格が相場より高くなってしまったようです。
結果的にみると消費税増税後の方が住宅の価格が下がっていた
なんてことが起こってしまったのです。
増税分の3%を加味すると、
増税前に買っても増税後に買っても、
そこまで変わらないといった現状があったんだとか。
このように
「増税後に家を買うと消費税の引き上げ分損してしまう!」
ということだけ考えてしまうと、
本当に損しなくて済むかどうかはわからないうえに、
家づくりにじっくりと時間をかけれなかったりします。
すると、不利な住宅ローンを組むことになったり、
あなたに合った住宅会社を選べなかったりといった事にもなりかねません。
ですので、家を買う時期は消費税増税だから急ぐのではなく、
満足のいく家づくりができるようにじっくりと時間をかけて、
慎重に考えてほしいと思います。